
SAS(睡眠時無呼吸症候群)
SAS(睡眠時無呼吸症候群)
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体が低酸素状態となる病気です。以下のような症状により健康を害し、また重症度の高い方はそうでない方に比べて寿命が短いことがわかっています。
睡眠中の呼吸の観察が必要となります。ご自宅で行う簡易検査や一泊入院の精密検査を行います。検査の結果、呼吸が止まったり浅くなったりする回数(無呼吸低呼吸指数:AHI)が1時間に5回以上に増加すると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
無呼吸回数が1時間に20回以上もあるような重症度の高い方には、睡眠中の気道閉塞を防ぐ治療をおこないます。鼻に装着したマスクを通して肺に空気を送り込むもので、持続陽圧呼吸療法と言います。別名CPAP(シーパップ)と呼ばれる治療法で、安全性が高く長期効果も優れています。
喉の通りに明らかな異常を認める場合は耳鼻咽喉科の手術を検討することもあります。また軽症の方は歯科でマウスピースを作成して治療します。
肥満者では減量することで無呼吸の程度が軽減することが多く、食生活や運動などの生活習慣の改善を心がけることが重要です。アルコールは無呼吸症状を悪化させるので、晩酌は控える必要があります。
SASでは高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす危険性が約3~4倍高くなり、特に、無呼吸数が1時間に30回以上の重症例では心血管系疾患発症の危険性が約5倍にもなります。しかし、CPAP治療により、健常な人と同等まで死亡率を低下させることが明らかになっています。
当院ではSASの簡易検査およびCPAP治療の導入が可能です。上記症状でお困りのかたはお気軽にご相談ください。