日帰り粉瘤手術
日帰り粉瘤手術
正式な病名は表皮嚢腫と言います。体中のどこにでもできる良性の皮下腫瘍で、皮膚にある微小なくぼみの中に垢や脂がたまってしこりを形成します。米粒程度の盛り上がった状態から次第に大きくなり、数センチほどの半球状になることもあります。細菌感染により化膿することも多く、赤く腫れて痛みを有します。炎症により皮膚が自然に裂けて匂いのある膿が出てくる場合もありますが、通常は小さく切開して排膿処置をおこないます。小さく化膿していないものについては抗生剤の飲み薬や塗り薬を使用しますが、大きくなったものは局所麻酔で外科的に摘出します。
当院では皮膚のしこりに対して、正確な診断のために体表部エコー検査を行います。
粉瘤と紛らわしいものとして脂肪腫、嚢腫性ざ瘡(にきび)などがあり、特にざ瘡については治療法が異なるために術前のエコー評価が重要と考えています。
手術前のエコー検査によって「切開して摘出」か「くり抜き法」にするかを決定します。
1
切開予定ラインを決めます。粉瘤の開口部(しこりのおへそ部分)を含めるようにデザインします。
2
皮膚消毒のち局所麻酔注射をおこないます。
麻酔注射の痛みも極力ないように細い針を用いて麻酔をします。
3
皮膚切開のち、しこりを包む袋を含めて摘出します。
くり抜き法の場合は、しこりのおへそ部分を小さくくり抜いたのち、しこりの内容物と一緒に袋を摘出します。
4
止血を確認したのち、皮膚を縫合します。大きな粉瘤の場合は傷が開かないよう、また傷跡がミミズ腫れのように肥厚してしまうことを予防するために、皮膚の深部組織の縫合を追加することもあります。
5
皮膚保護材で被覆固定します。
6
摘出した粉瘤は、粉瘤以外の腫瘍(皮膚がんなど)を除外するために、病理検査に提出します。およそ1~2週間で結果が判明します。
7
傷の確認・ケアならびに病理結果説明のために、手術後最低1回は受診が必要です